要約
「面白いビジネス書を読みたいけど、種類が多すぎて選べない」 「本当に役立つ本はどれだろう?」 と悩んでいませんか?
話題の新刊や平積みの本を手に取っても、自分には合わなかったり、内容が期待と違ったりすることもありますよね。
そんな本選びの失敗を減らしたいなら、実際に読んだビジネスパーソンたちの評価が反映されたランキングを参考にするのが一番です。
この記事では、「読者が選ぶビジネス書グランプリ」の2020年から2024年までの歴代総合グランプリ受賞作をまとめて紹介します。
単なるあらすじだけでなく、各書籍のポイントや、どんな人におすすめかを徹底解説。この記事を読めば、あなたが今読むべき「本当に価値のある一冊」が必ず見つかります。
「読者が選ぶビジネス書グランプリ」とは?
「ビジネス書グランプリ」とは、その名の通り、その年に最も読者の支持を集めたビジネス書を選ぶイベントです。
最大の特徴は、審査員が学者や評論家ではなく、実際にビジネスの現場で働くビジネスパーソンであることです。
本要約サービスflierやグロービス経営大学院が主催し、一般の読者からの投票によって総合グランプリや各部門賞が決定します。
多くのビジネスパーソンが「仕事に役立った」「面白かった」と評価したお墨付きであり、本選びの非常に信頼できる指標となっています。
ビジネス書グランプリ 総合グランプリ歴代受賞作(2020〜2024年)
まずは、近年(2020年~2024年)の総合グランプリ受賞作を一気に見てみましょう。
- 2024年: 『きみのお金は誰のため』 (田内学)
- 2023年: 『佐久間宣行のずるい仕事術』 (佐久間宣行)
- 2022年: 『1日1話、読めば心が熱くなる365人仕事の教科書』 (藤尾秀昭)
- 2021年: 『シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成』 (安宅和人)
- 2020年: 『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』 (ハンス・ロスリング他)
ここからは、歴代の総合グランプリ受賞作について、その魅力とおすすめポイントを深く掘り下げていきます。
2024年グランプリ『きみのお金は誰のため』田内学
あらすじ
中学生の主人公が「ボス」と名乗る謎の人物との対話を通じて、「お金の正体」や「社会の仕組み」を学んでいく物語形式の教養書です。
「お金自体に価値はない」「みんなで貯金しても意味がない」といった直観に反するテーマから、国家財政、格差、インフレといった難しい問題までを、6つの謎解きを通じて分かりやすく解説します。
おすすめポイント
最大の魅力は、経済やお金という難しいテーマを、物語形式で圧倒的に分かりやすく解説している点です。
専門用語を極力使わず、中学生の視点で進むため、経済の知識がゼロでもスラスラ読めます。物価高や将来不安が叫ばれる現代において、「そもそもお金とは何か?」という本質を問い直してくれる一冊です。
こんな人におすすめ!
- お金の基礎知識や経済リテラシーをゼロから学びたい人
- ニュースで聞く「インフレ」や「財政赤字」などの理由を理解したい人
- 子どもに社会や経済の仕組みを教えたい保護者
2023年グランプリ『佐久間宣行のずるい仕事術』佐久間宣行
あらすじ
人気テレビプロデューサーである著者が、会社員時代の22年間で培った「戦わずに抜きん出る」ための実践的な仕事術を公開したものです。
限られたリソースの中で成果を最大化するための企画術、人間関係のさばき方、時間の使い方など、現場で即戦力となる62の具体的なテクニックが詰まっています。
おすすめポイント
「頑張る」ではなく「ずるく(賢く)勝つ」という視点が徹底されています。精神論ではなく、どうすれば自分の得意分野で楽に成果を出せるか、無駄な消耗をどう避けるか、という超具体的なノウハウが満載です。
特に若手~中堅のビジネスパーソンが直面する悩みに即した内容が多く、すぐに試せるものばかりです。
こんな人におすすめ!
- 忙しい中で効率よく成果を出したいビジネスパーソン
- 社内の人間関係や調整事に消耗している人
- 自分の「好き」を仕事に活かしたいクリエイティブ職の人
2022年グランプリ『1日1話、読めば心が熱くなる365人仕事の教科書』藤尾秀昭
あらすじ
京セラの稲盛和夫氏や、サッカーの今治FCオーナー岡田武史氏など、各界の一流プロフェッショナル365人の「仕事の哲学」や「心を熱くする言葉」を、1日1ページ形式で収録した名言集です。
「日めくり」感覚で、毎日異なる偉人の言葉に触れることができます。
おすすめポイント
1話が1ページ(約3分)で完結するため、圧倒的に継続しやすい点が魅力です。忙しい朝や通勤時間、寝る前のわずかな時間で、一流の思考に触れ、仕事へのモチベーションを高めることができます。
ジャンルが多岐にわたるため、毎日新鮮な学びが得られます。
こんな人におすすめ!
- 毎日少しずつでも良い言葉に触れて自己研鑽したい人
- 仕事へのモチベーションが下がりがちな人
- チームの朝礼やスピーチのネタを探しているマネジメント層
2021年グランプリ『シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成』安宅和人
あらすじ
AIとデータが社会の中心となる時代の大潮流を俯瞰し、日本が直面している構造的な課題(少子高齢化など)と、その中での「勝ち筋」を壮大なスケールで提示した一冊。
未来を創るために必要な人材像、企業戦略、そして国レベルでの教育や政策の転換までを一気通貫で論じています。
おすすめポイント
データに基づいた現状分析と、未来への具体的な提言が非常にパワフルです。「日本はもうダメだ」という悲観論ではなく、「残された道はこれだ」という明確なビジョンを示してくれます。
すべてのビジネスパーソンが当事者として未来を考えるきっかけとなる一冊です。
こんな人におすすめ!
- AIやデータ活用で事業を変革したい経営層・企画職
- 日本の将来や教育のあり方に関心がある人
- これからの時代に必要なスキルを設計したい学生や若手
2020年グランプリ『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』ハンス・ロスリング他
あらすじ
「世界はどんどん悪くなっている」というのは、実は思い込みに過ぎない——。
本書は、人々が世界を誤って捉えてしまう「10の思い込み」を指摘し、データや事実に基づいて正しく世界を見る方法を説いた世界的ベストセラーです。
おすすめポイント
冒頭のクイズで、いかに自分が「思い込み」で世界を見ているかを痛感させられます。貧困、教育、環境などの問題は、私たちが思っているよりも劇的に改善していることを、豊富なデータとグラフで視覚的に理解させてくれます。
ネガティブなニュースに惑わされず、物事の本質を見抜く思考が身につきます。
こんな人におすすめ!
- ニュースや統計を正しく読み解きたい人
- 企画、投資、戦略など、データに基づいた意思決定を仕事にしている人
- 思い込みやバイアスをなくし、物事を正しく判断したい人
受賞作から読み解く!近年のビジネストレンド
こうして歴代のグランプリ受賞作を並べてみると、ビジネスパーソンの関心がどのように移り変わってきたかが見えてきます。
2020〜2021年:マクロな視点(AI・データ)
2020年の『FACTFULNESS』、2021年の『シン・ニホン』。 この時期は、テクノロジーの進化やグローバルなデータの流れが、社会や産業構造をどう変えていくかという「マクロな視点」での分析や未来予測が注目を集めました。
ビジネスパーソンが、大きな時代の変化を捉えようと必死だったことが伺えます。
2022〜2023年:ミクロな視点(個人の仕事術・マインド)
2022年の『365人仕事の教科書』、2023年の『佐久間宣行のずるい仕事術』。 ここで流れが変わり、関心は「個人のスキルやマインドセット」という「ミクロな視点」に移ります。
コロナ禍を経てリモートワークが普及し、組織のあり方が変わる中、「個人としてどう働き、どう成果を出すか」「日々のモチベーションをどう保つか」といった、より身近な課題への関心が高まったと考えられます。
2024年:社会と個人の関係(お金・経済教養)
そして2024年の『きみのお金は誰のため』。 これは、物価高や将来不安といった社会課題を背景に、経済を学び直そうという動きの表れではないでしょうか。
個人のスキルアップだけでなく、その土台となるお金という基礎教養への回帰が見られます。
まとめ
今回は、「読者が選ぶビジネス書グランプリ」の2020年から2024年までの歴代総合グランプリ受賞作を詳しく解説しました。
歴代グランプリ受賞作(2020〜2024年)
- 2024年: 『きみのお金は誰のため』
- 2023年: 『佐久間宣行のずるい仕事術』
- 2022年: 『1日1話、読めば心が熱くなる365人仕事の教科書』
- 2021年: 『シン・ニホン』
- 2020年: 『FACTFULNESS』
どの作品も、その時代を象徴するテーマを扱い、多くの読者から「役立った」と支持された名著ばかりです。
気になる一冊を見つけて、ぜひ読んでみてください!

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